ドラキュラII 呪いの封印 ちまちまやってクリア
ドラキュラIIをクリアしたのでレビューする。
どんなゲーム?
名作の続編は、結構異色作であることが多いが、この作品もご多分に漏れず、シリーズの中ではやや特殊な位置づけである。
基本的なアクションのシステムは、前作を踏襲しているが、ゲーム性は大きく拡張されており、前作がハードなアクションであったのに対して、今作は、探索要素がメインのゲームに変化している。
当時、まだゲームというメディアの可能性を模索しているなかで、遊びの質を模索する実験、という趣があり、こういう作品は今やると荒削りな部分があるが、今ではあまり見られないような要素もあり、プレイするのは好きである。
しかし小学生当時、購入してプレイした記憶があるが、どこへ行って何をしたらよいかわからないし、街の人から得た情報がでたらめであったりして、何が面白いのかよくわからないまま、当時はクソゲーと判断していた。
当然未クリアであったが、大人になってクリアできたので、評価してみたい。世間一般の評価も、「理不尽」とか「つまらない」という評価が結構多いが、私は結構面白かった。
雰囲気のある映像と音楽
前作は基本ドラキュラ城を登っていく、というシチュエーションで、建物のなかから時折背景に見える拷問器具などのアイコンや、月などをうまく使い、雰囲気を醸し出していたが、今回は舞台であるトランシルバニアの森や街、湖や墓地などをドラキュラの遺骸を求めて、広い世界を冒険することになる。
名曲揃いの音楽とあいまって、美しいトランシルバニアがうまく表現されており、楽しく旅することができる。
そこそこ良くできた探索要素
このゲームの探索要素、今やってみるとそこそこ面白い。
探索系のゲームの落とし穴として、主人公が、お使い/パシリと化すケースがよくあるが、本作は、動機づけが世界観に上手くマッチしている。
主人公であるシモン・ベルモンドが、前回のドラキュラ伯爵との死闘でうけた背中の傷による呪いにより、死の運命にあるという設定になっている。
その設定にからめて、ドラキュラの遺骸を集めて火葬するとこにより呪いを解く、という設定であり、独自性と雰囲気のあるアイデアだ。
マップや探索もそれほど複雑でなく、ゲーム自体、割とコンパクトであり、この設定と雰囲気で最後まで飽きずにプレイできた。
攻略のコツとして、松明でそこら中の壁を壊すことで、アイテムやヒントが得られる仕組みであるため、壁を見つけたら破壊することを心がけていれば、普通にクリア可能だろう。
重要アイテムを発見したときのうれしさは、探索好きの人であれば、楽しく感じるだろう。
マップは単純であるため、マッピングは必ずしも必要ないが、かんたんなメモを作成したほうが、効率良く進められる。
また、各種ヒントについては、スクリーンショットや、スマホのカメラで写真メモすることをおすすめする。これは他の探索要素のあるゲームでも共通することではあるが。
なお、このゲームはクリア時間によるマルチエンディングを採用しており、私は一番下のランクであった。
ちょっとイマイチな点
当時クソゲー要素として良くあげられた街の人が嘘をつく点は、今プレイしてみると、あからさまな嘘は判別できるし、嘘があることは説明書にも書かれていて、あまり問題には感じない。
しかし、シモン・ベルモンドの性能が横方向移動が主体であるため、マップ自体も横一直線な単純な構造になってしまっているという、ゲームデザインの問題点がある。
また、一部アイテムの使い方がわかりにくい点も、デメリットとしてあげられるだろう。一応ヒントはあるのだが、特に水晶玉の使い方はハマるかもしれない。
詳細はこれからプレイする人のために伏せるが、こういった、アイテムの使い方がわからずに、核心部分に近づいているのに、気が付かずにハマってしまう、みたいなのは、昔のゲームによくあるが、そこを含めて楽しめる人でなければ、WEBなどで、ちょっとヒントを得てしまっても良いと思う。
所詮娯楽であるので、ストレスにならない程度に楽しめればそれで良いのだ。
もうひとつの問題はアクションの難易度が低く面白くない点だ。
これは本作にレベル性が採用されているためでもあると思うが、普通にプレイしていると、シモンが強くなりすぎて、ボス戦であっても、あまり苦戦することもなくなってしまう。
これらの点について、同時期に似たようなコンセプトで発売されたリンクの冒険や、メトロイドが素晴らしくデザインされていることを考えると、やや惜しい作品であると感じる。
まとめ
名作アクションシリーズの中の異色作として、必ずしも評判が良い作品ではないが、シリーズファンであれば、プレイすることをおすすめする。
クリアまでのプレイ時間も短いため、はまらなければサクっとプレイできる。
一方で、本作をシリーズ初プレイする、という方へは、おすすめしない。やはり名作というには、1歩足りない完成度であると思う。
個人的には、子供の頃クリアできずに気になっていた本作を征服し満足である。
・クリアまでのプレイ時間 5時間未満
・私的評価 良作 (傑作・名作・良作・凡作・駄作の5段階)