Wii / Wii U 初代クラシックコントローラレビュー
レトロゲームファンにとって、Wii / Wii uのバーチャルコンソールは、良いものだ。
わたしの家は裕福ではなかったが、何故かセガマークIIIや、PCエンジン、PC98などのマニアックなゲーム機を保有していたが、私のように後続なきコンソールのかつてのオーナーにプレイ環境を提供する価値は、その人にとっては大きい。
で、その際に問題となるのはコントローラーで、wii発売時、任天堂が用意した最初のコントローラがこれである。結論からいうと、これは、過小評価されているものの、素晴らしいコントローラである。
このコントローラはこれまでのレトロゲームを快適にプレイできるよう最小公倍数的に設計されているものと推察する。
しかし、発表当時このコントローラを購入、操作してとてもがっかりしたのを覚えている。
当時、NINTENDO64やPlayStationから、核心的な3Dゲームの時代となり、それに合わせて、人間工学に基づいた手にフィットするコントローラが主流となっていた
任天堂といえば、ユーザーインターフェース、特にコントローラへのこだわりを感じていたし、64やGCのコントローラの手触り・革新性への信頼感も大きく、当時その路線が進化の主流であると感じていたものだ。
そんな当時の私からすると、グリップもなく、明らかに平べったい感じのこのコントローラを見て、任天堂は何かのこだわりを失ったのか、と感じたのだ。
一方で、私の右脳は何かの違和感、自分が開発者の意図を理解していないかもしれない印象があり、このコントローラについての評価を保留としていた。
私は、わりと前衛的な小説や作品を好んでいることもあり、その時の自分が理解していない何かがあるという感覚には敏感だった。
で、当時の私は、そう思いつつも、このコントローラを売却し、後継であるクラシックコントローラ Proを購入したのだった。
レトロゲームにはレトロゲーム用のコントローラが必要だった
このコントローラの素晴らしさに気がついたのは、Wii Uや、Switchの携帯モードでゼルダBOTWなどの3Dゲームとレトロゲームを交互にプレイしたときだった。
Wii Uや携帯モードのSwitchなど大型のコントローラで3Dゲームを行うのは、とても快適で、没入感を覚える。
こういった3Dゲームでは、細かなボタン連打や、上下左右のめまぐるしい動きは、あまり行われず、どちらかというとアナログスティックの微妙な操作やボタンを頻度は少ないもののタイミング良く押すことなどが主流となる。
しかし同じ環境で、ゼビウスやマリオなどのレトロゲームをやると、非常に没入できないということに気がついたのだ。
私の分析によると、コントローラの相性について、大きさ、グリップの有無、十字キーの大きさ、ボタンのカチカチ感などの点が、レトロゲームと3Dゲームとで、正反対のようだ。
要するにレトロゲーム、特にシューティングゲームでは、コントローラが小さく、グリップがなく、十字キーが比較的固く、ボタンの反発が強いほうが向いているのだが、3Dゲームではその反対となる。
そういうわけで、任天堂はそういうことを理解した上で、レトロゲーム用にこのコントローラを設計したようだ。
そう考えると、WiiリモコンやSwitchのコントローラは、最新ゲームとレトロゲームの間の微妙な塩梅で作成されているのがわかる。
このコントローラ、十字キーや各種ボタンのカチカチした感じなど、レトロゲーム向けによくできており、背面はまるみを帯びてぽってりしている使いやすい。
また、LRボタンの内側にZL、ZRがかなり特殊な配置をしているのだが、大人のにとっては、あらゆるコントローラのなかで、最高に押しやすい。
DualshockやXBOXのコントローラも使い易いが、それらのLRは押すのが苦痛なほどで、本コントローラのZL、ZRの使いやすさとは比べ物にならない。(あまり使うゲームはないが)
特にXBOXのコントローラは最新の3Dゲームをプレイするには、最高だが、レトロゲームをプレイするのは悪夢である。
まとめ
レトロゲームには、大型の手にフィットしたコントローラは全く向かないし、3Dゲームには、グリップのある大型の手にフィットしたコントローラが必要なので、プレイするゲームに合わせて両方必要だ。
それを両立させているのは、joy-conとwiiリモコンくらいしか私は知らない。これらのコントローラは素晴らしい職人芸である。